基本の結び方
風呂敷とは昔から日本人が使ってきてたものですが、近年では
そのメリットから使い方が見直されています。
贈り物の持ち運びやラッピング、荷物が増えた時のエコバックとして
使うなどすることができます。
風呂敷の結び方は様々なものがあります。
結び方は「真結び」と「ひとつ結び」が基本となります。
真結びは一度結ぶと解けない結び方で、まず両端をそれぞれ持ったら
右手に持った方を後ろにして両端を交差させます。
右端を左端に巻き付けるように前倒してから左端を下をくぐらせて
後ろにし、左端を左に倒して、右端をその上にかぶせたら
かぶせてできた輪に下から左を通して両端を引っ張って完成です。
ひとつ結びは、端を持ったら輪を作り、手前から輪をくぐらせて後ろに通します。
先端を引っ張ったら、完成と成ります。
この二つを併用することによって風呂敷の使い方のバリエーションが
広がっていきます。
一番シンプルなのが、平包みです。
一番格の高い包み方で、柄が映えるためお届けものには
オススメの包み方になります。
主柄を奥にして裏返しに広げたら、包むものを中央に置きます。
奥の橋をかけて主柄が見えるように確認して包むものの位置を調整します。
奥はしにいったん戻したら手前の端をかけ、端を箱の下に折り込み、
左端をかけ、角の重なりを整えながら右端をかけます。
奥の端をかけたら中身の幅が合うように調整し、先端を下に
巻き込んで完成となります。他にも様々な使い方をできます。
風呂敷は大昔から大活躍!「包む」ことの歴史
包むことの歴史は名称の変遷でもわかります。包みの名称を有するもので現存しているものでは正倉院蔵の御物を包んだ
収納専用包みです。収納される品物を想定し設計された収納物の名称が墨書されています。
奈良時代は中国文化摂取が盛んで、文字によって表しています。包み方は平包みで、布につけられた紐を結び、収納物を
固定して唐櫃に入れて保管をしました。
季節や慶弔時に贈答品を包むことがありますが、この時は右包みで、不祝儀は左包みになり、百貨店の包装紙の作法も同様です。
これらの包みの作法については、元正天皇の養老3年2月3日に法令が発せられ、緒民の左袵を禁じて全て右袵に改めたことに
起因しています。
この法令によって一般の和服は着用者の右前を下にして左前をその上に重ねる右袵による着装方法となりました。
右袵が一般化すると左袵は縁起の悪いことを意味するようになり、平常と異なる死人は生きている人と区別して左袵になりました。
これらの風習は包みものの世界にも及んで、陰陽道や右、左、奇数や偶数など慶事包みは右包み、弔事包みは左包みに包む作法が
普及しました。現在、結納目録などを包む紋付風呂敷は結ばず平包みで右包み、香典などは左包みとして伝統は継続しています。